実験!インパクト・マッピング

実験!インパクト・マッピング

こんにちは、Hです。

みなさん、「インパクトマッピング」ってご存知でしょうか?
インパクトマッピングは「ソフトウェアのスコープおよびその背景にある仮説を視覚化したマップ」と
説明されていますが、これだとちょっとイメージがわきづらいですね。

インパクトマッピングは下記の4つの質問を繰り返して、
目的を達成するためのプランを作成する
戦略的プランニングのツールであり手法です。
ゴイコ・アジッチさんによって提唱されています。

・WHY:なぜするのか?  (=GOAL:達成したいことは何か?)
・WHO:誰がするのか?  (=ACTORS:誰にしてほしいのか?)
・HOW:どうやってするのか?(=IMPACTS:どうやったら達成できるのか?)
・WHAT:何が必要か?  (=DELIVERBLES:達成するには何が必要なのか?)

ソフトウェアやシステムの開発現場では、「要求仕様」や「要件定義書」と
いった資料で開発で必要な機能一覧や機能の内容が渡されます。
ただその機能を実現することによって、ビジネス的に何を実現しようとしているのか?
についてはあまり触れられていないのが現状です。

これらを視覚化して、ビジネス側・技術側で同じ目的に向かって協同で
進めていこうという効果もあります。

ではどのような感じで作成するのでしょうか?
ここでは実験的に私が所属するバスケ部について
インパクトマッピングを作成してみたので、その内容を紹介いたします。

バスケ部活動のインパクトマッピング

バスケ部ではそれなりに会員になっている方が増えているのですが
いざ活動となった時の参加人数が伸び悩んでいるという課題があります。

そこで「GOAL」を「バスケ部活動の参加人数を増やす」に設定しました。

図1:GOALを設定したインパクト・マッピング

次はGOALを達成するために関与してほしい人を考えました。
関与してほしい人は会員なのですが
会員と一言で言っても、まだ会員になっていない方や
会員の中でも毎回参加する方と一度きりしか参加していない方、
さらに社外の方もいらっしゃるので、分けることにしました。

「ACTORS」として、新規会員、レギュラー会員、遊休会員、社外会員としました。
ただ遊休会員と社外会員は似たような参加度なので
1つにまとめて「遊休/社外会員」としました。

図2:ACTORSを設定したインパクト・マッピング

続いて、これら「ACTORS」の方にバスケ部活動に参加してほしいので
その「ACTORS」がそれぞれどうしたら参加してくれるかを検討します。

例えば「新規会員」の方。
この場合は参加する前にバスケ部活動に興味を持ってもらう必要があります。
社内のため、バスケ部があって活動をしているというのは分かりますが
どんな活動をしているのか、また楽しそうと思ってもらわないと
そもそも参加してみようかなとは思わないのではないでしょうか。

そこで「新規会員」の方には「楽しさを知る」ことを「IMPACTS」に設定しました。
そして、もう1つ。いざ参加してみようと思ったときに「気軽に参加する」ことも重要と考えて「IMPACTS」に設定しました。

このような感じで「レギュラー会員」や「遊休/社外会員」にも「IMPACTS」を設定しました。

図3:IMPACTSを設定したインパクト・マッピング

ここまで来たら、後はその「IMPACTS」をする・してもらうために何が必要かを考えるだけです。

「楽しさを知る」ために練習やその後の打ち上げの風景や様子をブログに記載したり、
女性の方もいらっしゃるので誕生月にはお菓子やスイーツをプレゼントして
喜んでもらおうと企画することにしました。
また「気軽に参加する」ために練習日程を公開して共有したり、
近場の練習場で練習をすることとしました。

これらが「DELIVERBLES(成果物)」であり、今回あげた以外にも代替手段を
いろいろ検討することができます。

図4:DELIVERABLESを設定したインパクト・マッピング

実際はインパクト・マッピングをマインドマップで作成するのですが
EXCELやPowerPointでも十分作成することができます。

そして視覚化できるのでこれをもとにさらに関係者間で議論を深めていくことができます。
私も早速作ったインパクト・マッピングでバスケ部の部長や広報の方と打ち合わせ予定です。

みなさんもよろしければ試してみて下さい。
思いのほか、情報が整理できて驚かれると思います。

その次は現場で試してみようと思いますが、それについてはプロマネ日誌で紹介しますね。

参考

インパクト・マッピングについてもっと知りたい方は下記の書籍がお薦めです。
是非ご覧ください。

インパクトのあるソフトウェアを作る IMPACT MAPPING

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