【No.64】顧客へのプロジェクト状況共有の勧め

こんにちはKoglenです。
私がPMとしていくつかの案件を担当してきましたが、”プロジェクト計画書を作成し顧客の合意を元にプロジェクトを進める”ことが重要だと感じています。
重要だと感じた理由は、プロジェクト計画書を作成し承認を得ることで対象とするプロジェクトの要件、スケジュールを含めたゴールが共有ができるからです。
そして定義した計画通りに案件が進行できているかを定期的な会議体の中で報告を行います。
プロジェクトの全体像の共有ができていない状況で問題が発生した場合には背景や問題の説明が手間になりますが、
計画書の合意がとれている場合は、計画を元に報告、対応方針を共有することできるため大切だと感じました。
またプロジェクトを進めるうえでは、”顧客にも積極的にプロジェクトに参加してもらえるような状況や雰囲気が大切”だとも感じることも多いため、「顧客へのプロジェクト状況共有の勧め」という今回のタイトルで記事を書こうと思いました。

■プロジェクト計画書でプロジェクトの全体像を共有する

プロジェクトを共有し報告することを目的とする場合には最低限、以下のような項目を記載する必要があります。

1.)プロジェクトの目的を記載する
2.)プロジェクトの範囲と各担当の役割を記載する
3.)プロジェクトの予算とスケジュールを記載する
4.)プロジェクトの会議体を記載する

1~3の項目でプロジェクトの共有を行い、4の項目で定期的な会議を何時、誰と、何を共有するのかを定義する必要があり、以下の3つの定義を事前に決めておくとよいでしょう。

1.)スケジュール
会議の開催の日時と場所を定義します。
2.)出席者
スピーカーとリスナーを定義します。
リスナーは計画の項目2で定義した各担当の上席者となっていることが理想です。
3.)ドキュメントの共有ルール
報告用のドキュメント(報告資料と議事録)の項目とそのドキュメントの共有方法を定義します。

「システムの事はよくわからないからよろしくやっておいてよ」という状況ではお互いにとって良いプロジェクトにはなりません。
顧客がプロジェクトに積極的に参加してもらえるように、
事前に会議体のルールを決め、顧客も参加する「プロジェクトの状況を共有する場」を定期的に設けてもらえるようすると良いと思います。

次に設けてもらった会議の場で「進捗状況」と「課題」について、どのように共有すると良いか、まとめてみました。

■プロジェクトの進捗状況を共有する

まずは現状の状況と次回会議までの作業内容を共有します。
またここがとても重要になりますが、
“プロジェクト計画時と乖離が発生している状況”があればその内容を共有します。
自分が担当している枠割範囲の中で対応できる内容であれば、
乖離している内容の説明の他にその代替案やプランの変更を提示できるとより良いと思います。
ただ報告、共有するだけでは顧客の心は掴めません。
問題があった場合でも報告を遅らせたり、隠ぺいしてもよいことはありません。
この会議が”代替案やプランを提案することで顧客からの信頼を得られる良い機会”であると、ポジティブにとらえられることができたら最高ですね。

■プロジェクトの課題を共有する

プロジェクト開始から現在までの課題を一覧化して共有します。
もちろん既に解決済の課題であれば会議の中での共有は不要ですが、
未解決の課題は常に共有することが重要だと思います。
それは”いつまで経っても解決しない課題の担当者がボトルネックになる可能性がある”ためです。
顧客がボトルネックになっているのであれば、
この課題が解決しないことのリスクがあることを理解してもらえますし、
他ベンダーが担当しているものであれば、
顧客から積極的な課題解決を促してもらうことが可能になります。

この会議の内容は議事録を作成し参加者全員に共有します。
また、深刻な進捗の遅れや課題が発生している場合や会議の参加者だけでは解決できそうにない問題が発生している場合には、
この会議体とは別に別途報告の場を設ける方が良いと思います。

いかがだったでしょうか?
プロジェクトが上手く進んでいる時はそれほど重要でありませんが、
今回のようなプロセスを入れることで問題があった場合に早めに共有と対処ができるようになると思います。
次回も同じ顧客とプロジェクトを進められるのであれば、
プロジェクトの振り返りを一緒にできるとより良い関係が築けることと思います。

↓よろしければ私が以前にブログに記載したこちらの記事も読んでみてください。こちらには担当チーム内でのちょっとしたコミュニケーションについて記載しています。
http://labs.opentone.co.jp/?p=5641