Backlogは、直感的でなじみやすいUIを備えており、現場担当者を含む幅広い利用者にとって扱いやすいプロジェクト管理ツールです。また、Backlogは利用人数による課金ではなく、選択プランに応じた定額制です。多数の関係者が関わる大規模な建築現場でも導入しやすく、情報共有や進捗管理の基盤として活用しやすい特長があります。
今回ご紹介するのは、そうしたBacklogを大規模建設現場で活用されているお客様の事例です。多数の関係者が関わる長期プロジェクトにおいて、タスク管理や進捗共有の基盤としてBacklogを利用する一方で、標準機能だけでは現場運用に十分にフィットしない場面もありました。そこで、ガントチャート表示の拡張と週間レポート配信のカスタマイズを行い、現場特有の要件に合わせた運用を実現しました。

お客様について
本事例のお客様は、大規模な建設現場においてBacklogを活用されている企業様です。多数の関係者が関わる長期プロジェクトにおいて、タスク管理や進捗共有の基盤としてBacklogを導入されていました。
建設現場のプロジェクトでは、短期の作業管理だけでなく、年単位に及ぶ工程の見通しや、定期的な状況報告の仕組みが求められます。そのため、標準機能を活用しながらも、実務に即した見え方や運用方法への調整が必要な状況でした。
ご相談の背景
Backlogを活用する中で、お客様からは主に二つの観点でご相談をいただきました。
一つは、ガントチャートの表示に関する課題です。当時のBacklog標準ガントチャートでは、表示スケールが月単位までとなっており、長期間にわたるタスクの全体像を把握しづらい状況がありました。建設現場では、工程をより長い時間軸で俯瞰したい場面が多く、現場運用において見づらさが課題となっていました。
もう一つは、週間レポートに関する要望です。定期的な報告のタイミングや内容について、標準の仕組みでは運用に十分合わせきれず、独自のスケジュールやテンプレートでレポートを配信したいというニーズがありました。
導入前の課題
当時、お客様が抱えていた課題は以下の通りです。
- 長期タスクをガントチャート上で俯瞰しづらい
- 週間レポートの送付タイミングを柔軟に制御したい
- 配信内容を現場向けにカスタマイズしたい
ご要望
お客様からは、次のようなご要望をいただきました。
- 長期工程を見やすく確認できるガントチャートを用意したい
- 既存のBacklog利用体験から大きく乖離しない形にしたい
- 開発費用はできるだけ抑えたい
- 年度ごとの予算にあわせて、段階的に機能改善したい
- 週間レポートを独自スケジュール・独自テンプレートで送付したい
弊社の対応
お客様のご要望に対し、ガントチャートとレポート配信の二つの領域で対応を行いました。
1. ガントチャートのカスタムSPA開発
Backlog標準機能だけでは長期タスクの視認性に課題があったため、ガントチャートを補完するシングルページアプリケーションを開発しました。

開発にあたっては、オープンソースライブラリを活用することで、必要な機能を実現しつつコストを抑えました。また、見た目や操作感については、利用者が違和感なく使えるよう、Backlog公式ガントチャートに近い体験を意識して設計しています。
設定面については、運用の柔軟性と開発コストのバランスを考慮し、GUIで複雑な管理画面を用意するのではなく、ファイルベースで設定できる構成を採用しました。その分、設定マニュアルなどの運用ドキュメントを整備し、実務で支障なく使えるようカバーしました。
2. 週間レポート配信のカスタマイズ
レポートについては、AWSを利用して独自のスケジュールおよびテンプレートで送付できる仕組みを構築しました。

これにより、お客様の運用にあわせたタイミングで、必要な内容を整理したレポートを自動配信できるようになりました。標準機能では対応しづらい報告要件にも対応し、現場の定例運用に組み込みやすい形を実現しました。
また、客先環境へのリリースリスクを抑える観点から、構成はCloudFormationで管理しました。インフラ構成をコード化することで、再現性のある構築と変更管理を可能にし、将来的なメンテナンス性も確保しています。
この事例の特徴
本事例の特徴は、単に機能を追加するのではなく、「現場運用」「予算制約」「保守性」の三つを両立する形で設計した点にあります。
ガントチャートについては、長期工程の見やすさという現場課題に対して、標準機能を置き換えるのではなく補完するアプローチを取りました。Backlogの利用体験との連続性を保ちながら、必要な見え方だけを拡張しています。
また、すべてを一度に作り込むのではなく、年度予算に応じて段階的に開発する前提で進めたことも大きなポイントです。これにより、導入ハードルを上げすぎず、継続的な改善につなげやすい構成になりました。
さらに、設定はファイルベース、インフラはCloudFormationで管理することで、開発費用だけでなく、将来的な保守や引き継ぎまで見据えた仕組みとしています。
導入後の効果
今回の対応により、長期タスクの見通しが改善され、現場で工程全体を俯瞰しやすくなりました。標準の月単位表示では捉えにくかった長期スパンの計画についても、より実務に沿った形で確認できるようになっています。
また、週間レポートについても、現場運用に即したタイミングと内容で自動配信できるようになり、報告業務の整備と効率化につながりました。
加えて、段階的な開発方針や、IaCによる環境構築を採用したことで、予算や運用体制に合わせて無理なく継続改善しやすい基盤を整えることができました。
まとめ
本事例では、大規模建設現場におけるBacklog活用をさらに実務に適合させるため、ガントチャート表示の拡張と、週間レポート配信のカスタマイズを実施しました。
標準機能だけではカバーしきれない要件に対しても、オープンソースの活用、段階的な機能改善、ファイルベースの設定、CloudFormationによる構成管理などを組み合わせることで、コスト・柔軟性・保守性のバランスを取りながら実現しています。
Backlogを現場運用により深く適合させたい、あるいは標準機能を補完する形で実務に合わせた仕組みを作りたいという場合に、参考となる事例です。
同じようなお悩みをお持ちの方がいらっしゃいましたら、お気軽に下記よりお問い合わせください。ご相談は無料です。

